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【映画のための読書】1週間でマスター 小説のメソッド 初級編 その1: 小説とは何だろう? PARTⅠ

映画といえば普通はシナリオなのですが、

シナリオについてはまた別の機会に紹介するとして

今回は、小説の書き方の本を紹介していこうかと思います。

 

 

この記事は本の内容に触れます。

また、記事中の意見等はブログ管理者の個人的なものです。

ご了承ください。

 

 

 
大抵の人が、物語を目にする機会って、映画・テレビドラマ(配信ドラマ含む)・アニメ・小説・漫画・舞台(古典芸能含む)がだいたい代表的なところかと思います。
その中でも活字で読むものってなると小説です。
脚本も文字で表現されていますが、厳密には映像になり人目に触れた時点で、初めて「表現された」となるものなので、まず映画関係者以外の人は脚本を読む機会なんてそうないでしょうし、そもそも読もうとも思わないかと思います。
実際、脚本って読み慣れていないと話が頭に入って来ないでしょうし。
 
 
で、本題なんですが。
 
物語を描くという事を理解するうえで、見慣れない特殊な記述をする脚本の事はまず置いておいて、映画と同様にその単体で物語表現を成立させられる小説について学ぼうという事で本書をとり上げました。
 
 
まず、この本は「1週間で~」というタイトルどおり、第一日、第二日、第三日・・・というように7日分の見出しに分かれています。
 
では、見ていきましょう。
 
 

第一日 小説とは何だろう? PARTⅠ

ここは最初だけあり、精神論的な事から始まって、テーマや構成についてが書かれています。
 
テーマについては、このように書かれています。
・最も関心があること。
・最も大切だと思っていること。
・最も重大な問題だと感じていること。
 
これこそが、優れたテーマであり、かつ良い題材なのです。
 
そして、この3点には「切実さ」があり、この「切実さ」ほど、小説を含むあらゆる表現活動で大切なものはないと著者は言っています。
 
また、著者は、作家・中村真一郎氏が随筆の中に残した言葉を引用し、良い文章をホメるには、
・身に詰まされる。
・我を忘れる。
 
の二つの言葉で充分だと言い、そして、この二つの言葉は「切実さ」を異なる言葉で述べているだけだと言います。
 
そして、これらを以下のように整理します。
・身に詰まされる→シリアス・ノベル、現実的→書き手の切実さが、読み手に伝わる→そうそう、わかるわかる(同意・共感)
・我を忘れる→エンタテイメント、娯楽性が強い→読み手の切実さに、書き手が応えてくれる→へぇ~(驚き)
 
この後、本著では恋愛小説を例にテーマについてを深堀りしています。
 

 

小説って何なんだ?

小説とは「愛と憎しみの間を行ったり来たり、心の動きと体の動きの間を行ったり来たり、自己と他者、個人と社会の間を行ったり来たりするもの」なのではないか。
この事については、この後、家を建てる事を例にして明確になるように説明されています。 
 
 
続いては、構成の話になります。
 
ここでは、シンデレラ曲線で構成の説明がされます。

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昔むかし、ある所にシンデレラという娘がいました。母や姉は舞踏会へ出かけるのに、炊事・洗濯・掃除ばかりさせられています〔A〕。

 魔法使いのお婆さんが現れました。カボチャを馬車に、ネズミを白馬に変えてくれました。シンデレラは舞踏会へ向かいます〔B〕。

そこで王子様と会い、一緒にダンスを踊りました〔C〕。

けれど、十二時になると魔法が解けてしまうので、帰らねばなりません。シンデレラはガラスの靴を忘れてきてしまいました〔D〕。

王子様はガラスの靴を手に、国中を探しました。足がピッタリ合うのは、シンデレラだけでした。二人は結ばれ、末永く幸せに暮らしました。めでたし、めでたし———。

こうして、「構成」を目に見える形で取り出し、多くの物語がこのようなパターンで作られ、基本形になってると説明しています。

そして、これは「起承転結」にそのまま置き換えられるとも言います。

そのとうりですね。

 

本著では、このシンデレラ曲線以外にもいくつか曲線が紹介されていますが、基本的には、多少アレンジはしたとしても、シンデレラ曲線を意識して作った方が、個人的には人を楽しませる(心を動かせる)話が作りやすいのではないかと思います。

 

とはいえ、

 

「うるせぇ! 自分は型なんかにとらわれず、自分のオリジナリティで行くぜーっ!」という方もいるかと思います。

そんな方のためにも著者は言っています。

それでも、誤解しないでほしいのは、(中略)物語の「型」に合わせろと言っているのではありません。(中略)型を知っているのと、知らないのとでは大違いです。型を知った上で、さらに物語をその型からズラす作業を勧めたいのです。

そして、

その「ズラし方」こそが、書き手としてのアナタのクセであり、特色であり———作家の個性なのです。

歌舞伎俳優の中村勘九郎さんは、そのインタビューで述べています。「芝居の型を知らなければ、“型破り”もできない」と。

 

こうして、第一日が終わっていき、PART2として第二日へ続きます。

 

 

そして、この記事も今回はここまでで、後日へと続きます。