映画のような Way of life

    気ままな雑記ブログ。

【シナリオ書き起こし】Mother(ネタバレあり)

 今回は、これまでミニッツライナーで

1分ごとに人物が何をしたかを書き出した映画の

シナリオ書き起こしをしてみたいと思います。

 

選んだのは、『Mother』

 

ミニッツライナーの時の記事はこちらです。

 

この記事にはネタバレがあります。

記載したシナリオは独自に書き起こしたもので公式のものではありません。

実際のシナリオとは表現等相違があることが前提となる事をご了承ください。

 

 

7分くらいで短めなのと、

話もちょっとしたフェイクがあって面白かったのでこちらを選びました。

 

 

では、さっそく

『Mother』

シナリオに書き起こしてみましょう!

 =============================

Mother

監督:尾形竜太
脚本:遠山絵梨香
 

小山茜:上白石萌音

小山夕子:霧島れいか

小山洋介:松田賢二

小山翔太:髙橋 來

 

 

○茜の家・LDK(夕)

冷蔵庫の前に立つ茜。

ふと冷蔵庫の傍を見る茜。

家族の1週間の家事分担が書かれた小さな黒板がある。

黒板には『ママ・パパ・茜・翔太』とあり、『ママ』以外には『掃除』や『ゴミ出し』などが分担されているが、『ママ』の分担だけが何もない。

冷蔵庫のドアに手をあてる茜。

茜「今日から私がママだから……よろしく」

 

○タイトル『mother』

シンクに置かれたボールに水滴が落ちる。

 

○茜の家・LDK(夕)

赤いエプロンをした茜。冷蔵庫を開けて目を見開く。

冷蔵庫の中には、タッパーに分けられた料理が綺麗に並べられている。

小さく微笑む茜。

キッチンで『レシピノート』を見ながら、自信なさげに顔をしかめる茜。

 

○同・外観(夜)

犬の鳴き声。

父と翔太の声「ただいまー」

 

○同・LDK(夜)

ダイニングテーブルでミンチ肉を手でこねている茜。

茜「おかえり」

入ってくる父と翔太。

茜「ごめん、夕飯まだできてない」

父「おー、じゃあ、パパがお風呂掃除と洗濯してくるよ。洗うもん出してあるか?」

茜「あー、ごめん。あの、そこ、そこに……」

茜、肘で奥のリビングにあるソファの上にひろげた衣類の山を指し示す。

父「あー」

ソファに向かう父。

翔太「お腹すいたー」

茜、うんざりした表情をするも、あせるようにミンチ肉をこねる。

父「おい、翔太、わがまま言うんじゃない」

翔太「だって、お姉ちゃん作るの遅いんだもん」

茜「あー、もう、うるっさいなぁ」

ふと、何か思い出すように遠い目をする茜。

母の声「待ってて、もうちょっとでできるから」

茜、ゆっくりガステーブルを振り返る。

 

○(回想)同

ガステーブルで料理をしている母。

学生服の茜が入ってくるなり、冷蔵庫を開ける。

茜「お腹すいたぁ」

母「はいはい」

ダイニングセットに座り、プリンを食べる茜。

母「そんなの食べたら、ご飯食べられなくなるわよ」

うんざりした表情の茜。

茜「ママが作るの遅いからでしょー」

 

○(回想戻り)同(夜)

ふと、何かを感じたように視線を下げて泳がせる茜。

   ×   ×   ×

焦げたハンバーグを食べる父。

翔太は食べようとしない。

父が茜を励ますように言う。

父「うん、うん。うまいよ。うまいうまい」

少し苦笑いの茜。

翔太「おいしくなさそうだからいらない」

席を立ち、出て行く翔太。

茜「えー」

父「おい、翔太」

茜を気にしながら立ち上がり、翔太を追う父。

父「おい翔太。お姉ちゃんが作ったんだよ」

 

○(回想)同(深夜)

リビングのテーブルで勉強をしている茜におにぎりを乗せた皿を差し出す母。

母「お腹すいたでしょ?」

おにぎりを一瞥して、ノートに視線を戻す茜。

茜「太っちゃうからいらない」

寂しげな表情の茜。

 

○(回想戻り)同(夜)

思い出して反省するように顔しかめる茜。唇を軽く噛みしめる。

 

○茜の家・外観(朝)

鳥のさえずり。

 

○同・LDK(朝)

弁当を詰めながら欠伸をする茜。

ネクタイをしめる父。翔太に服を着せる。

父「はい、ほら。急げ急げ」

   ×   ×   ×

朝食のトーストを食べる茜、父、翔太の三人。

食べ終えた茜、慌てて立ち上がり、牛乳を一口飲んで出て行く。

茜「行ってきます」

 

○同(夕)

冷蔵庫からタッパーを出し、夕飯の用意を始める茜。

茜M「いただきます。ごちそうさま……」

父と翔太が入ってくる。

父と翔太「ただいまー」

茜「おかえり」

急いで用意を続ける茜。

茜M「おいしかった。ありがとう……」

弁当箱を茜に渡す翔太。

無言で去って行く翔太に呆気にとられる茜。

茜、弁当箱を開けると、中にほうれん草が手をつけられずに残っている。

弁当箱の中を見つめる茜。

茜M「私は、お母さんにたくさんの言葉を言い忘れていた」

茜の手にしている翔太の弁当箱を覗く父。

父「翔太、ほうれん草を食べなきゃだめだぞ」

叱るような目つきで翔太を見る茜。

翔太「意地悪だよぉ。僕がほうれん草嫌いなの知ってるのに」

茜「好き嫌いしてたらおっきくなれないよ」

翔太「お姉ちゃんだって嫌いな食べ物あるでしょ?」

翔太が言い終わる前に自信ありげな茜。

茜「ありませんから」

ふと、思い出したように目を見開く茜。

 

○(回想)同

冷蔵庫を開ける母。ダイニングテーブルにほうれん草のケーキを出す。

母「ケーキ食べよう」

子供の茜「うわー」

子供の茜、ケーキを一口食べて目を見開き母を見る。

子供の茜「おいしい」

母「このケーキね、茜ちゃんの嫌いなほうれん草のケーキなんだよ」

子供の茜「えー?」

母「食べられたね。エライエライ」

子供の茜の頭を撫でる母。

レシピノートをテーブルの上に置く母。

 

○(回想戻り)同・夜

はっとして、棚を探る茜。

表紙に『お菓子・デザート』と書かれた『レシピノート』を手にとって開く茜。

   ×   ×   ×

髪の毛を縛り、赤いエプロンを着ける茜。

冷蔵庫からほうれん草を取り出す茜。

ノートを見ながら、ほうれん草を調理していく茜。

ふと、ページの最後にある、ふきだしの文字に目を留める茜。

ふきだしには『茜ちゃんがほうれん草食べられるようになりました! 良かったね!』とある。

文字をじっと見つめる茜。

 

○(日替わり)同(朝)

冷蔵庫からほうれん草のケーキを取り出す茜。

ダイニングセットには翔太が座っている。

翔太「え、何? 何なの?」

茜、ほうれん草のケーキを翔太の前に差し出す。

茜「はい、どうぞ」

翔太「うわ、ケーキだ! いただきまーす」

早速、嬉しそうに食べる翔太。

茜「どうぞ」

翔太「うん、おいしい!」

小さくガッツポーズをする茜。

茜「それね、ほうれん草のケーキなんだよ」

翔太「えー?」

茜「でも、食べられたじゃん」

翔太「僕、ほうれん草食べられた」

茜「うん、えらいえらい」

笑顔で嬉しそうに翔太の頭を撫でる茜。

 

○同・階段

茜と翔太、何かを待ちわびるように階段の途中に並んで座っている。

茜の膝の上には畳んだ赤いエプロン。

玄関のドアが開く音。

はっとして、嬉しそうに翔太を見る茜。

茜「来た」

茜と翔太、嬉しそうに急いで階段を降りる。

 

○同・玄関

赤ん坊を抱いた母と一緒に父が外から入ってくる。

玄関に駆け寄る翔太。続いて茜。

父と母「ただいまー」

翔太「ママ、おかえりー」

赤ん坊を見る翔太と茜。

翔太「うわー、ちっちゃい」

茜「かわいー」

母から赤ん坊を受け取る父。

父「翔太、今日からお兄ちゃんだぞー」

翔太「もう僕ほうれん草食べられるから……」

茜の方を振り向く翔太。

茜も翔太を見る。

翔太「もう、お兄ちゃんだもんねー」

茜「そうだねー」

笑う茜。

母「うわ、翔太、ほうれん草食べれるの? すごいね」

父「じゃあ、ほら、お兄ちゃんとあがろうか?」

父、赤ん坊を大事そうに抱えて、家にあがり、翔太と共に家の奥に進んで行く。

父と翔太を優しく見送る母。ふと、茜の視線に気づく。

母を見つめる茜。

茜「おかえり。いただきます。ごちそうさま。おいしかった。ありがとう」

母「え?」

茜「今までママに言ってなかったぶん」

畳んだ赤いエプロンを母に差し出す茜。

嬉しそうな表情の母。

照れてはにかんだ表情の茜。

茜「私もエプロンほしいなぁ……なんちって」

満面な笑みの茜。

〈了〉

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今回、シナリオを書き起こすのに映像を何回か見直したんですが、

その度思うのが…

 

ミンチ肉をこねる茜(上白石萌音)が怖い……

 

最初の方、

ハンバーグらしきものを作ろうとミンチ肉をこねてるところで、

弟の翔太に「お姉ちゃん作るの遅いんだもん」

と軽くディスられるのですが、

それに対する

 

「あー、もう、うるっさいなぁ」

 

という茜の言い方が、何気に怖いです。

 

作品内では描かれていませんが、

弟はこの時、恐怖を感じていたことでしょう。

僕も姉がいるのでよく分かります

 

まぁ、茜も、

弟の

身勝手な言い分と、

上手に肉をこねられない苛立ちに

ついつい、きつくあたってしまったんでしょうねぇ。

期待されてプレッシャーがかかっているでしょうから……

僕も弟がいるのでよく分かります。

 

 

しかし、更に、その後の回想でも、

茜は、「お腹すいた~」と言いながら冷蔵庫を開けて、

プリンを食べようとするのですが

 

既に食事の準備をしている、

霧島れいか演じる、美人ママの夕子から

 

「そんなの食べたら、ご飯食べられなくなるわよ」

と言わると

 

今回は、余程空腹に苛立っていたのでしょう

 

凄いうんざりした表情

「ママが作るの遅いからでしょー」

ディスりつつ

プリンをペロリと喰らいます。

 

と、

こんなところに注目しつつ、

今回は、シナリオ書き起こしをしてみました。

 

では、

『Mother』

シナリオ書き起こし、終わり。

 

 

上白石萌音主演の映画。監督は周防正行

【映画のデザイン】おいっ、サスペリア! タイトルロゴがかっこいいぞ! 

 どうも、アカコアラです。

 

ちょっと、映画にまつわるデザインごとで、

気になったものを発見!

 

それが、こちら


 

リメイク版です。

これの何が気になったかというと…

 

タイトルロゴです。

 

 

これがポスターなんですが…

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SusPiRiA

(『i』以外の大文字と小文字の入れ替えが、デザイナーの意図と合っているかは分かりません…)

タイトルロゴがかっこいい!!

 

僕的には、

ソール・バス  ヒッチコック!!

を彷彿とさせます。

 

 

グラフィックデザインまわりがいい映画っていっぱいあると思うんだけど、

自分的にここまで条件反射で食いついてしまうデザインが使われている映画は

久しぶりです。

 

カイル・クーパーセブン以来じゃないかな。

 

【映画のための読書】1週間でマスター 小説のメソッド 初級編 その3:文章を直してみよう

『小説のメソッド 初級編 その3』になります。
 

“第四日 文章を直してみよう” 

 

 

この記事は本の内容に触れます。

また、記事中の意見等はブログ管理者の個人的なものです。

ご了承ください。

 

 

前回の記事はこちら。

 

第四日 文章を直してみよう

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第三日では、「他人の目」で推敲・リライトする事について述べられましたが、
第四日では、以下のような設問を使った推敲・リライトの方法が語られます。
〔設問〕
Q1、(例文1)を読み、良いと思われる箇所・悪い箇所に、印をつけなさい。
Q2、その後で(例文2)を読み、1と異なっている点を指摘しなさい。(いくつでも、かまいません。)
(後略)
 この後、本書では(例文1)と(例文2)を読み、解答・解説へと進んで、
理解していく事になります。
 
この中で、特に今回注目したのは、
『3、“なあなあ”とリアル』です。

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(前略)
それは、書き手が甘えているからです。「これくらい書いておけば、分かるだろう・伝わるだろう」と、“なあなあ”になってしまっているからです。
これ、小説や脚本に限らず、文章を書こうとしている人は一読しておくと良いかもしれません。
むしろ、文章に限らず、現実の対面コミュニケーションにも言えるかもしれませんね。
 
これを理解したうえで、わざと濁して読み手に想像させられる文章が書ければ、面白い小説が書けるかもしれません。
 
また、『リアル』についての記述も、作品の世界観に読者を誘い込むのに重要なファクターなので、気になる人は読んでみてください。

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次の『4、読み手は馬鹿?』に関しては、

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(前略)
読み手は馬鹿なんです!(失礼。もちろんアナタと私も、その中に含まれています。)
書き手の頭にあるイメージは、文字という「情報」にならなければ、読み手へ伝わりません。
と、言い方は乱暴なですが、これも言い得て妙で、
そのくらいに思って表現をしていった方が、結果的に読み手が理解できるし自分も迷わないんじゃないですかね。
「自分も読み手も馬鹿だから……」くらいに思って書いた方が自分も何が言いたいのか、確認しながら書く事になると思うので。
この方法、馬鹿にできないんじゃないでしょうか。
 
 
そして、
『6、リライト・推敲の「総まとめ」』
から
『7、もっとレッスンを重ねたい「熱心な」アナタへ』
と続き、第四日は締めくくられていき、
 
『7、もっとレッスンを重ねたい「熱心な」アナタへ』では、
学校・職場・地域で、同じ目的を持つ仲間を集め、サークルを作ってください。そして、書いた文章を交換し、互いに添削をし合ってみてください。
という提案が著者からあります。
 
これ、やってる人からすれば当たり前だけど、
まだ書き始めた人なんかは抵抗がある方も多いんじゃないですかね。
でもこれ、書き始めたばかりの人ほど早いうちにやった方がいいと思いますよ。
これをやる環境に身を置くとモチベーションを上げざるおえませんから。

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僕も小説ではありませんが、自分のシナリオを仲間の前で読んで感想や意見なんかを聞くって事を何度もやりますが、これで色々分かる事があります。
その時に同時に推敲・リライトする箇所とかも気づいたりしますしね……
 
やった事がない人は是非やってみてほしいです。
 
少し、効果は下がるかもしれないのと、
個人間だと著作権などでトラブルになる可能性があるのでオススメはしませんが、
対策を考えれば、対面ではなくネットワーク上でも応用は利くかと思います。
 
 
では、また後日へと続きます。
次は、『第五日 プロットを作ってみよう』です。
 

 

 

【ミニッツライナー】日にち薬(ネタバレあり)

この記事にはネタバレがあります。

 

今回は、10月1日の『あしたのSHOW』で放送された

『日にち薬』でミニッツライナーしてみたいと思います。

 

 

監督は、永田琴監督。

WOWOWぷらすと』をチェックしている僕としては、

東野圭吾原作のWOWOWのドラマの監督で、

岩井俊二監督に師事していた人というイメージ。

 

 

中谷美紀性同一性障害を演じる。東野圭吾『片想い』初映像化!

 

 

WOWOWぷらすと』にも何度かゲストで登場しています。


 

岩井俊二の回でも、松崎健夫 (松崎B)さんに、

ほんのちょっとだけ(ホントにちょっとだけですが)触れられていますね。


 

では、

『日にち薬』

ミニッツライナー!

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日にち薬

監督・脚本:永田琴
 

奈津:谷村美月

辻幸太朗:布施紀行

仁科:水沢奈子

 

 

  1. 奈津、縁側に寝転がり外をぼんやり眺めて回想する。タイトル『日にち薬』。
  2. 奈津、好きなサッカー部の男子、辻幸太朗の写真を画像処理ソフトで引き伸ばして拡大。プリントアウトしてブロマイドを作る。
  3. 奈津、弓道部の活動後の放課後、廊下ですれ違った幸太朗の話かけられた事から、彼の行動をこっそりと窺うようになる。
  4. 奈津、部活の後に廊下で幸太朗を待ち伏せてすれ違う事を日課にする。
  5. 奈津、いつも外れてばかりの弓道の的に矢を当てた事で、幸太朗に告白する決意をする。
  6. 奈津、誰もいない幸太朗の教室で黒板に『好きです。』と書いて自分を鼓舞しようとするが、そこへチアリーディングの女子、仁科がやってきたため、慌てて教壇の机の下に隠れる。
  7. 幸太朗が教室にやってくる。奈津、幸太朗が黒板の『好きです。』を見て「俺も」と仁科に言った事に動揺。そそくさと教室を出て行こうとする奈津だったが、その背中に幸太朗の「(誰だか)知らない」の言葉が突き刺さる。
  8. 奈津、校舎の傍で泣きじゃくる。
  9. 奈津、縁側に寝転がり外をぼんやり眺めている。場面変わり、鍵の付いた『他人に言えない事を書く』ノートがめくられていくが、そこには『好きです。』の一文だけが毎ページに書かれ、最後のページだけ『好きでした。』と書かれている。
  10. 奈津、縁側で小さな花をみつて微笑む。「失恋の心の傷も(中略)月日を重ねるといつしか自然に治ります。それを『日にち薬』と言います」

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大人になりかかっている女の子が凄く表現されてるなぁという感じのする可愛い話でした。

 

場面(場所)を展開させながら、10分くらいで心の成長や変化を表現するには、

こういうふうに1エピソードを掘り下げてかたちにするんだな、と参考になります。

 

 

ラスト間際の

「好きです。」

「好きです。」

「好きです。」

「好きです。」

「好きです。」

「好きでした」

 

いい観せ方ですね。

 

 

では、

『日にち薬』

ミニッツライナー

でした。

【映画のための読書】1週間でマスター 小説のメソッド 初級編 その2:小説とは何だろう? PARTⅡ・文章を書いてみよう

第二日 小説とは何だろう? PARTⅡ

第三日 文章を書いてみよう

 

 

この記事は本の内容に触れます。

また、記事中の意見等はブログ管理者の個人的なものです。

ご了承ください。

 

 

前回の記事はこちら。

第二日 小説とは何だろう? PARTⅡ

第二日は、文体・レトリック・小道具の話になります。

文体・レトリック、これこそが小説が小説たらんとする部分ではないでしょうか?

これによって、その小説や小説家のカラーが出るところなのではないかと思います。
なので、脚本のト書きには直接関係ない部分という事でここで取り上げる事は割愛させていただきます。 
ですが、書いてある事は置き換えて考えれば、セリフなどの部分で脚本に役立つところがあるんじゃないかとは思いますので、気になる方は本著を読んでみてください。
 
 

第三日 文章を書いてみよう

第三日は、実際に書いてみます。

ここでは、著者から“お題”が出されます。

そして、“添削”と銘打ち、書いたものを著者の例文などと照らし合わせて確認していくのですが、ここはやはり本では限界がありますね。

ページ数を使って説明されているのですが、添削というには無理があるように思えて、読書中、これを自作でやる場合の応用方法を考えるのに思考が奪われてしまい、ここを読み進めるのが僕はちょっとキツかったですね。

この後、書く時は主観で書き、読む時は客観的に読む事が説明されます。

また、推敲・リライトのコツでは、時間を空けて読み返したり、声に出して読むようにしたりなど、初心者以外は、だいたい分かっているような事だったりしますが、何度か書いた事がある人だと逆に馴れてしまっていて、読み返す時につい忘れてやっていなかったりするので、自分の推敲の方法を初心に返って見直すのに参考になるかもしれません。

そして、読み手に伝わる文章とはどう表現すべきかが、例文をもとにして解説されていきます。

 

第三日は、ちゃんと読んで理解できれば大分表現力がつく気がします。
僕は読むのキツかったー。
まぁ、実際、推敲・リライトって苦行に感じる時ありますからね。
なので、その方法を学ぶのも苦行っぽいのは理にかなっているのかもしれません。
 
 
もしかして、そう思うの僕だけなのかな? あなたは好きですか? どうです?
 

 そして、また後日へと続きます。

 

 

【ミニッツライナー】背比べのあと(ネタバレあり)

この記事にはネタバレがあります。

 

9月4日の記事で紹介した『せびろやしき』同様、『あしたのSHOW』で17日に取り上げられていた、『背比べのあと』をミニッツライナーしてみたいと思います。

 

 

監督は、柴田啓佑さん。

この作品、僕は以前にYouTubeで短編映画を集めてた時にみつけて既に観ていました。

この日の番組では、同監督のもう一本『窓の外側』という作品も放映されていました。

こちらの作品も同じように以前にYouTubeで観ていたのですが、同じ監督作とは気づいていませんでした。

ただ、分かってから観ると、両方とも作品のトーンやリズムや主人公の変化の温度感など通じるところがあって、それがこの監督のカラーになっている感じがします。

 

では、

『背比べのあと』

ミニッツライナーで解体!

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背比べのあと

監督:柴田啓佑
脚本:柴田啓佑
 

清水健介:吉岡睦雄

清水明子:村井美樹

清水ちひろ:小林柚葉

清水健太:榎本楓

 

 

  1. 健介、会社の昼休みに屋上で調理パンを食べる。愛妻弁当を食べる後輩に会社帰りに呑みに行かないかと誘うが、家族サービスがあるのでと断られる。タイトル『背比べのあと』
  2. 健介、自宅マンションに帰る。ちひろと健太が姉弟喧嘩している。健介、疲れた様子でソファに座る。新しくマンションに越してきたばかりで家族みんなが夢や希望にあふれていた頃を思い出す。
  3. 健介、喧嘩ばかりのちひろと健太を怒鳴り、ふてくされて投げやりな片付けをして、柱に傷をつけた健太の腕を掴み更に怒鳴る。明子、その様子を不安げに見つめる。
  4. 明子、環境の変化に戸惑う子供達を庇いつつ、健介をなだめようとするが、健介は否定されているように捉えてしまう。
  5. 明子、かかってきた電話に出る。相手は健介の母。場面代わり、健介、全員喪服姿の家族達と実家にいる。親戚の子が柱の背比べの傷を見つける。
  6. 健介、柱についた自分の背比べのあとを見つめる。そして、自宅マンションへの帰り道、家族たちの後ろ姿を見つめ何か思う。
  7. 健介、自宅マンションに帰ると、柱に健太とちひろの背比べのあとをつける。
  8. 健介、会社の昼休みに屋上で愛妻弁当を食べている。コンビニ袋をさげてやってくる後輩に会社帰りに呑みに行かないかと誘われるが、家族サービスだなと冗談めかす。
  9. エンドロール。健介、道を歩いている妊娠中の若い夫婦を微笑ましく眺める。清水家のみんなで健太の誕生日を祝っている。
  10. 健太とちひろの傷が刻まれた柱。その上の方には健介。そして、更にその上には、再び健太の傷がある。

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では、

『背比べのあと』

ミニッツライナー、終わり。

【ミニッツライナー】Mother(ネタバレあり)

この記事にはネタバレがあります。

※2018年9月17日に公開した記事ですが、記事中で紹介している作品のDVD情報を追加して2018年10月7日に更新しました。

※2018年10月27日現在、YouTubeの『ニクいねぇ!シアター』チャンネルから本作のムービーが削除されているため、リンクを解除して更新しました。

 

このショートムービーはYouTubeで観られる三菱電機の『ニクいねぇ!シアター』第一弾の作品です。

 

 因みに、LONGver.です。それでも7分弱ですけど……

 

 

『Mother』といえば、坂元裕二脚本、松雪泰子主演のTVドラマがありましたね。

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主演は、上白石萌音

上白石さんといえば、妹の上白石萌歌が出演している『義母と娘のブルースが明日、最終回ですね(この記事は2018年9月17日のものです)。

のDVD&ブルーレイが発売決定してますね(この記事は2018年10月7日のものです)。


こちらのTVドラマについては、ドラマ化以前に僕は原作を読んでいました。

なぜかというと、脚本制作の参考として、特に起承転結(こちらの記事でほんのちょっと紹介しています)やプロットポイント(このあたりの詳細はまた別の機会に記事にしたいと思います)を考える時に役立つかなと思って、4コマ漫画を探していてみつけました。

で、この原作なんですが、基本的に4コマで話は一応完結するんですが、全体の流れとしてはそれを1つのエピソードにして連作にしているんです。僕が4コマ漫画をあまり読んだ事がなかった事もあり、4コマ漫画界ではフツーなのかもしれませんが、こういう4コマ漫画もあるのね、と思った記憶があります。

 

余談ですが、この上白石姉妹、笑った顔がいいなぁと思います。付け加えると、困った顔としかめっ面が似合います(いい意味で)。

 

 

で、『Mother』。

監督は、尾形竜太。

映像ディレクターで、映画監督はやっていないようですが、映画やドラマの編集や演出をやったり、タイトルバックをやっていて、舞台やドキュメンタリーにも関わって、多岐にわたって活動しているようです。

同じ、上白石萌音主演で、周防正行監督の『舞妓はレディ』では、演出補とミュージカルパート編集をやって、メイキング番組の監督もやっていますね。

 

脚本は、遠山絵梨香。

オリガミクスパートナーズというクリエイター専門のプロダクションに所属しているようです。脚本家としての作品はそれほど多くなく、目立って活動をしているわけではなさそうです。

このプロダクションには、『いぬやしき』『ブリーチ』と今年立て続けで2本が劇場公開されている、佐藤信介監督も所属しているみたいです。

 

これ、脚本が綺麗ですね。

何がって、7分弱の中でテーマがちゃんと表現されていると思うんです。

あと、オープニングで最初「こうだろう」と思っていた事が、最後で「あー、そうだったのね」というオチ的な事があるんですが……

これが、

「こうだろう」と勝手に思って観ているうちに、流れてる空気感で、ちょっと違うのかなって気もするんだけど。

いつの間にか、「こうだろう」と勝手に前提として観続けてたら。

最後に、「あー、そうだったのね」となり、なんか優しいカタルシスを感じる……みたいな感じなんですよ。

この説明じゃ、意味分かりませんね。

なので、実際に観てみましょう。 

 

 

では、

『Mother』

ミニッツライナーで解体!

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Mother

監督:尾形竜太
脚本:遠山絵梨香
 

小山茜:上白石萌音

小山夕子:霧島れいか

小山洋介:松田賢二

小山翔太:髙橋 來

 

  1. 茜、壁の家事当番表の何も割り当てられていない “ママ”の欄を見つめると、冷蔵庫に向き合う。「今日から私がママだから」。タイトル『Mother』。
  2. 茜、夕食を作るが、翔太に作るの遅いと文句を言われ、自分も夕子に同じように文句をつけていた事を思い出す。
  3. 茜、上手に料理ができず、翔太が食べてくれないのを見て、再び自分も夕子に心ない態度をとった過去に苦い思いをする。
  4. 茜、夕子に言っていなかった感謝の言葉に気づくと共に、かつての自分と同じようにほうれん草を食べられない翔太に、自分が食べられようになった夕子が作ってくれたほうれん草のケーキを思い出す。
  5. 茜、夕子のレシピノートからほうれん草のケーキを探し、翔太の為に作る。
  6. 茜、ほうれん草が食べられるようになった翔太と共に赤ん坊を連れて帰ってきた夕子を迎える。
  7. 茜、今まで言っていなかった、様々な母への感謝の言葉を夕子に伝える。

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ソッコウでしたね。短い。

でも、この作品観て、映画とか物語の濃さって単純に尺じゃ計れないなと思っちゃいましたね。

 

だんだん自分が年齢を重ねたせいで、こういった「親と子が、近い関係性が故に普段気づきもしないし見ようともしなかった事を、突然、ある非日常によって気づかされ、新しい関係性を築き始める」みたいな王道的な話に脆くなってる部分もありますけどね、自分の親との事を考えちゃったりして……。

でも、この尺でそこまで感情移入させられたのは事実です。

あと、企業PR的なところもあるので、「クリーンすぎるだろ」という意見もあるかもしれませんが、逆に言えば「綺麗に納めてる」とも言えなくないと思うので、少なくとも短編の脚本を学ぼうとする人には、結構参考にして損のない作品なんじゃないかな、と思います。ちなみに僕は、三菱電機とは全く関係ありません。

 

 

では、

『Mother』

ミニッツライナー、終わり。

 

 

松雪泰子主演。まだ子役だった芦田愛菜出世作『Mother』が観れる。

 

上白石萌音主演の映画。監督は周防正行

妹、上白石萌歌さん出演のTVドラマの原作。