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【ミニッツライナー】去年の冬、きみと別れ(ネタバレあり)

この記事にはネタバレがあります。

 

【WOWOWぷらすと】瀧本智行監督を語る。』を観て、『去年の冬、きみと別れ』が気になったので、DVDで観てみたら全然思っていた内容と違っていて楽しめました。

 

まずは予告編……

概要映画.com より)

芥川賞作家・中村文則のサスペンス小説を、「EXILE」「三代目J Soul Brothers」のパフォーマーで、「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」などで俳優としても人気の岩田剛典主演で実写映画化。婚約者との結婚を間近に控えた新進気鋭のルポライター耶雲恭介は、盲目の美女が巻き込まれた不可解な焼死事件と、容疑者の天才写真家・木原坂雄大について調べはじめる。しかし真相を追ううちに、いつしか抜け出すことのできない深みに飲み込まれていく。耶雲の婚約者・百合子役に「ピーチガール」の山本美月、事件の容疑者・木原坂役に「昼顔」の斎藤工。「犯人に告ぐ」の瀧本智行が監督を務め、「無限の住人」の大石哲也が脚本を担当。

 

 

正直、劇場公開時、劇場のポスターや予告を見た時は、まぁ、普通によくある恋愛絡めてのサイコミステリーで、

「ヤバイ奴と関わっちゃたことで危険に巻き込まれ、自分の愛する人が……」

みたいなのかと思ってたんですよ……

ん? あれ? でも、まぁ……

「ヤバイ奴と関わっちゃたことで危険に巻き込まれ、自分の愛する人が……」

って、それ間違っちゃいないか……っていうね。

そんな感じでした!

 

いやいや、なかなかトリッキーですよこれ。

という事で、こういうトリッキーな映画を理解するにはうってつけなのではないかと、最近知ったミニッツライナーというのをやってみようと思います。

 

では、

去年の冬、きみと別れ

ミニッツライナーで解体!

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去年の冬、きみと別れ

監督:瀧本智行

脚本:大石哲也

製作総指揮:高橋雅美

製作:池田宏之

 

耶雲恭介:岩田剛典

松田百合子:山本美月

木原坂雄大斎藤工

木原坂朱里:浅見れいな

吉岡亜希子:土村芳

小林良樹:北村一輝

 

 

  1. 吉岡亜希子、CDが流れるマンションで点字で綴った手紙を涙目で封をする。
  2. 木原坂雄大、邸内スタジオでカメラを手にし、炎に包まれている亜希子を興奮した眼差しで見つめる。雄大、警官に連行される。
  3. 木原坂朱里、留置所の面会室で雄大に弁護士の言うとうりにするように言う。雄大、検察の聞き取りにロウソクが倒れて起きた事故だと証言する。
  4. 罪状は『殺人』から『保護責任者遺棄致死』に。雪の海岸にタイトル『去年の冬、きみと別れ』。耶雲恭介、水たまりの暗いトンネルを歩く。
  5. 小林良樹が週刊誌編集部に出勤すると、編集長に呼ばれて雄大の事件記事の企画を持ち込んで来たフリーライターの耶雲を紹介される。
  6. 小林、耶雲の企画に保守的な態度で拒否する。耶雲、食い下がる。
  7. 小林、編集長にほだされて耶雲の面倒をみる事になる。
  8. 耶雲、木原坂邸へ取材に訪れる。
  9. 邸内スタジオで撮影中の雄大、右手に火傷の痕がある。耶雲、矢継ぎ早に質問する。雄大「法廷記録が全て」「助ける事も不可能だった」
  10. 耶雲、「亜希子が燃える写真があるのでは~」と雄大に問うと、「俺に近づくと君の身にも危険が及ぶ~」と挑発されるが、「書くネタが増える」と返す。
  11. 耶雲、壁の蝶の写真を見て、「この作品を見た事から雄大に興味を持った~」と言う。雄大、門の鍵を耶雲に渡す。
  12. 松田百合子、レストランで店長とブライダルの打ち合わせをしている。耶雲、慌ててやって来る。
  13. 耶雲、百合子がこのレストランでブライダルを挙げたくて従業員になったと店長にばらす。耶雲、証言者の一人、蝶の収集家のもとを訪れる。
  14. 耶雲、蝶の収集家に取材。「雄大は蝶の羽根の美しさに興味を示した」
  15. 耶雲、収集家が飼育した生きた蝶を、雄大が気絶するまで撮影し続けたという 話を聞く。
  16. 耶雲、暖炉の炎を見つめる。耶雲、部屋で蝶の写真を見つめ、百合子の作った食事も後で食べると答える。
  17. 耶雲、雄大の父親(木原坂)が強盗に刺殺された事件の記事を調べる。耶雲、第2の証言者、雄大の同級生のデイトレーダーに会いに行く。
  18. 耶雲、雄大が他人の彼女を欲しがる癖や監禁する性質があるという情報を得る。
  19. デイトレーダー、木原坂が刺殺された事件の五日後、病院のベッドでの雄大と朱里の様子が近親相姦のようだったと言う。
  20. デイトレーダー雄大と朱里は木原坂から、虐待を受けていた噂があったと言う。朱里、車で木原坂邸にやってくる。
  21. 朱里、邸内スタジオで写真加工中の雄大のところへやってくる。雄大、取材に来た耶雲の話をする。朱里、余計な事は言わないようにと釘を刺す。
  22. 耶雲、雄大の野外撮影の現場に密着取材。雄大、生い立ちを話す。
  23. 雄大、朱里とは深い愛で繋がっているというものの、性的関係は否定する。
  24. 雄大、虐待についても否定。耶雲、百合子からの電話に、仕事中だと怒る。
  25. 雄大、百合子に興味を示し、10月に結婚する事や百合子の趣味が舞台観劇などの情報を聞き出す。
  26. 耶雲、レストランで百合子に結婚を先延ばしにしたいと言って口論になる。雄大、道路に止めた車内から耶雲と百合子の様子を眺めている。
  27. 耶雲、木原坂殺害事件の担当だった元刑事に取材をする。
  28. 元刑事、事件当時は目撃証言もなく、話を聞けたのが10歳前後の雄大と朱里だけだった事で迷宮入りしてしまったと言う。
  29. 雄大と朱里が170cm代の人間に刃物で刺されている事が分かる。耶雲、小林と編集長に「もう一人大人の共犯者がいたのではないか~」と言う。
  30. 耶雲、先走りすぎだと小林に咎められる。反省の様相を見せる耶雲。
  31. 耶雲、預かった鍵で邸内に入り、本棚から芥川龍之介の『地獄変』を見つける。
  32. 耶雲、気づくと傍に雄大が立っている。雄大、現像室で『地獄変』を語る。
  33. 雄大、亜希子が焼かれた写真が実はあると言う。耶雲は緊張するが、冗談だと笑う雄大
  34. 耶雲、蝶の写真以降、雄大に評価される作品がない事を揶揄する。雄大「耶雲に調子にのるな」と恫喝する。
  35. 耶雲、編集部で小林を前に推論するが、いい顔をしない小林。耶雲、本を出すのが夢だといい、小林の手腕を噂で聞いて企画を持ってきたのだと告白する。
  36. 耶雲、朱里に接触すると言う。小林、耶雲が去ると部下に何かを頼む。
  37. 小林、朱里の泊まるホテルの部屋を訪れる。何やらドラッグを服用する二人。
  38. 朱里を愛撫する小林。朱里の腹部には刃物傷の痕。回想場面に代わり、若き日の小林が雄大の父の原稿を受け取りに木原坂に訪れると、顔にいかにも殴られたという痣だらけの子供時代の雄大がいる。
  39. 雄大に導かれ、窓から書斎を覗くと、父親に性的虐待を受けている少女時代の朱里を目撃する小林。回想から戻り、ベッドの中で愛し合う小林と朱里。
  40. 小林、朱里に耶雲が取材しようとしていて危険だという事を教える。
  41. 雄大に降りかかる火の粉は私がはらう、と言って耶雲の名刺を渡せ、と小林に凄む朱里。
  42. 耶雲、アパートに帰ると、アパートの前で待ち伏せしている朱里。
  43. 昨夜、朱里に会ったと雄大に告げる耶雲。弟につきまとうと名誉毀損で訴えると言われたと言う。耶雲、雄大は興味がないから彼女とどうぞとチケットを渡される。
  44. チケットは薪能のチケット。百合子と会場に向かう耶雲。興味がないと言っていた雄大が、僕も行くって言ってなかったけ、と白々しくいる。
  45. 薪能を観覧している耶雲と百合子。離れた所に雄大雄大の様子を伺う耶雲、雄大と目があう。
  46. 雄大の視線は百合子へ。場面代わり、百合子の働くレストランを訪れる雄大
  47. 百合子にモデルになってくれないかとくどく雄大
  48. 百合子の部屋。パソコンに原稿を打ち込む耶雲。その肩に百合子が手をあてるが冷たいそぶりの耶雲。場面代わり、朱里の留守電にメッセージを入れる。
  49. 百合子が行方不明。耶雲、木原坂邸へ向かう。
  50. 鍵が使えなくなっていて邸内に入れない耶雲。雄大が出てきて門を挟んで対峙する耶雲と雄大雄大は、百合子が望んでここに来たと言う。そんなはずはない。百合子に合わせてくれと言う耶雲。
  51. 百合子自身も監禁は否定していると言って、耶雲に対してまともに取り合わない警察。
  52. 雄大のモデルになっている百合子。休憩でお茶を飲もうとすると、テーブルの上に雄大が撮った門の前で百合子を返してくれと必死で訴える耶雲の写真。
  53. 百合子の新しい表情が撮りたいと言って、百合子に手錠をはめる雄大。ろうそくの火。
  54. サブタイトル『第三章』。雨。水たまりに映る耶雲の逆さまの表情。編集部。小林に部下が耶雲がペンネームではないかと、報告する。
  55. 小林に耶雲から電話。百合子が雄大に1週間監禁されているという。慌てて木原坂邸に向かう小林。朱里に電話するが留守電。雄大の病気が始まったとメッセージを残す。
  56. 木原坂邸にタクシーで乗り付けた小林。木原坂邸の邸内が燃えている。耶雲が門をよじ登って邸内に入っていくところで小林が声をかけるが構わずに邸内に向かう耶雲。邸内。燃え上がる炎の中で座った人の形をしたものが炎に包まれている。それに向かってシャッターをきり続けている雄大。耶雲、雄大に掴みかかりカメラを破壊する。
  57. 追ってきた小林に促され、崩れる邸内から逃げる雄大と耶雲。耶雲、逃げる間際、壁にかかった燃え盛る蝶の写真を見つめる。警察の取り調べを受ける雄大。反抗は完全に否認。帰ってきたら家事になっていたという。
  58. ロウソクが燃え移ったのは、神が自分を試したのだという雄大。前回も今回も雄大の殺人だろうと詰め寄る刑事。
  59. 百合子の遺品を確認する耶雲。傍には神妙な表情の小林。謝るだけのダメ警官。
  60. 百合子の手帳のメモを読む耶雲。メモには雄大に脅されて監禁されていた事が綴られている。
  61. 小林を伴って百合子の焼死体を確認する耶雲。気の毒に思った小林が、何かできる事はないかと聞くと、「待っていてください。僕の原稿が書き上がるのを」と答える座った目の耶雲。
  62. 街の中、孤独をまとって歩く耶雲。雪の海岸。
  63. 面会室で弁護士と面会する雄大。朱里が来ない事に苛立つ。弁護士は、朱里から雄大の件は一任されたと言うが信じない。朱里は耶雲の執拗な取材で憔悴したのだという。
  64. 耶雲から届いた原稿に目をとおす小林。朱里の記事にばかり目がいく。朱里が気がかりでしょうがない。回想に変わり、幼少期の朱里に、今夜10時に木原坂邸に来るように言われる小林。
  65. 木原坂邸に向かう若かりし頃の小林。邸内に入ると、血を流して倒れている木原坂の主をその傍らに子供達の朱里と雄大。朱里は手にした血濡れの包丁を小林に差し出し、自分たちを刺してくれと言う。「そうすれば、私たち自由になれる」
  66. 全く朱里と連絡が取れない事に、自分が頼られない虚しさを感じる小林。留守番電話に悲痛な懇願をするが、メッセージで「今は話をする気になれない」と返される。
  67. 編集長から耶雲の記事の掲載と出版が決定したと報告を受ける小林。
  68. 部下の調査で、耶雲の本当の名前は中園で経歴も全くのデタラメだった事がわかる。
  69. 耶雲が以前いたとされる、金沢の小さな出版社に向かう小林。その出版社で耶雲は編集者をやっていたと言う。
  70. 耶雲は彼女が交通事故にあった事が様子がおかしくなり始めたと出版社の人。
  71. 結局、その彼女に振られたらしい。彼女の写真を見せてもらう小林。その写真に写っていたのは亜希子だった。
  72. 工業地帯。停車した朱里の車のもとへ耶雲の車がやってくる。
  73. 獄中の雄大のもとに、差し入れとして真っ白な表紙の本が届けられる。
  74. 情報を頼りに、耶雲が住むと思われる廃墟のようなマンションを訪れる小林。
  75. 廃マンションの耶雲の部屋を訪れた小林。そこで、壁一面に貼られた写真を見つける。
  76. その写真群は、雄大、朱里、そして小林が写っているものだった。同様する小林。思わずつまづいたゴミ箱からは大量のアンプルと注射器。
  77. テーブルの上に真っ白な表紙の本を見つけ、中を開く小林。
  78. 回想に変わり、耶雲と亜希子の金沢の図書館での出会い。図書館で盲目の女性、亜希子が耶雲の編集をした本の点訳本を手にするのを見かける。
  79. 点字を読む亜希子を離れたところから眺める耶雲。
  80. 本に感動してくれた亜希子に感謝し話しかける耶雲。
  81. 耶雲と亜希子、付き合い始める。
  82. 耶雲と亜希子、海に出かける。砂浜を歩く二人。
  83. 耶雲と亜希子、浜辺でキスをする。
  84. 亜希子が交通事故に遭遇するものの大事には至らなかったが、耶雲は亜希子がいなくなる事を想像して恐怖をおぼえ始める。
  85. 一人で行動する亜希子が気がかりで、ストーカーのように亜希子の後をついて回る耶雲。
  86. 心配するあまり会社にも行かずに亜希子をつけまわす耶雲に、自立したい亜希子は傷つき嘆き悲しむ。
  87. 点字で綴った別れの手紙だけを残し、黙って突然いなくなってしまう亜希子。
  88. 耶雲、テレビのニュースで木原坂邸の家事で亜希子が焼死体で見つかった事を知る。回想から戻る。獄中の雄大、ここまでの耶雲と亜希子、二人の経緯が綴られた白い本を読み興奮したようす。一方、廃マンションで同様に白い本を読む小林のもとに耶雲がやってくる。
  89. 対峙する耶雲と小林。小林は耶雲の雄大への復習のために自分を利用したんだね、と真相に迫る。
  90. 亜希子の復習のために、百合子を犠牲にしたと責める木村に、それは先走りだと咎める耶雲。
  91. サブタイトル『第1章』。回想になる。蝶の収集家、雄大の学生時代の友人、雄大の父の殺害事件を担当したもと刑事など、50名に登る関係者に取材した耶雲。
  92. 朱里に接触する耶雲。朱里は一度は拒絶するが、耶雲が亜希子の婚約者だった事を言うと、反応する。
  93. 朱里の宿泊する部屋で、朱里が弟の雄大に不利になる事を言うわけないのを分かっていながら、亜希子の事件の事を調べ回る事でどうにか生きていられると嘆く耶雲。そんな耶雲に「かわいそうに」と同情したような口調の朱里。
  94. 耶雲、朱里の虐待の過去を知っているからか、朱里を責めてもしょうがないと謝るが、朱里は婚約者が死んで真相を知りたいのは当然だと慰める。
  95. 真実を知りたければ、私を抱きなさい、と言う朱里。密かに飲まされた薬のせいで、我を失う耶雲、朱里にキスされる。
  96. 雄大は何年もロクな写真が撮れなかった。そんな時、去年の夏、亜希子を見かけた雄大は亜希子にアプローチするが拒否され続けたのだと言う。
  97. 朱里の言う事を何でも聞く小林に、亜希子を誘拐させた。雄大の父の事件で朱里が自分と雄大も被害者と見せかけるため、小林に自分たちを刺させたのだった。
  98. 雄大に写真を撮らせるために亜希子に火を放ったのは朱里だった。しかし、雄大は興奮しすぎて撮影は失敗。
  99. 朱里に狂ってると言う耶雲に対し、恋人を殺した女を抱いたのだと嘲笑う朱里。
  100. 回想から戻り、耶雲は司法には委ねずに自分が復讐する事にしたのだと小林に告げ、亜希子を見殺しにした小林を責めるが、小林は朱里はスイッチが入ると誰にも止められなくなり、言う事を聞くしかなかったのだと嘆く小林。
  101. 耶雲、男に騙されて多額の借金を背負わされ、死のうとしていた百合子を自殺志願者の掲示板で見つけ、多額の報酬と引き換えに計画に参加させる。
  102. 『第二章』の回想。雄大は全て耶雲と百合子が演じた罠と知らず、すっかり乗せられた事がわかる。獄中で手記を読む雄大、驚愕の表情。
  103. 監禁されて殺される事を分かっていて、何の関係も罪もない百合子を巻き込んだ耶雲を責める小林。限界だと、自分がやった事も含め警察に全てぶちまけると言って、出て行こうとする小林に、朱里の居場所を知りたくないかと訊ねる耶雲。
  104. 回想。小林に渡した名刺から朱里が耶雲の取材を受けると言って、廃マンションの前に現れる。部屋に引き込み、朱里をスタンガンで気絶させる耶雲。
  105. 朱里に睡眠薬を注射し、監禁していた耶雲。一方、朱里の車をスクラップ工場に持ち込む百合子。
  106. 雄大が出かけている間に木原坂邸のスタジオに睡眠薬で眠らせた朱里を運び込み、百合子に見せかけて殺すための準備をする耶雲。
  107. 百合子の残したメモや焼けた婚約指輪などの遺品は全て偽装だった。目を覚ました朱里。猿ぐつわをされ椅子に拘束されロウソクに囲まれている。朱里は耶雲の殺意に気づき驚愕する。
  108. 朱里に火を放つ耶雲。帰ってきた雄大は燃えているのが朱里だとも知らず、夢中でシャッターをきる。回想から戻る。小林も燃えていたのは百合子だとずっと思っていたが、実は朱里だったと耶雲に教えられ、泣き崩れる。
  109. 耶雲、「これは、小林良樹と木原坂雄大のために書いて、吉岡亜希子に捧げた本です」と言い残し、立ち去ろうとする。その背中に小林は「バケモノはお前だ。頭のイカれたバケモノだ」と嘆くように投げかける。
  110. 部屋を出て行く耶雲。叫ぶ小林「お前はバケモノだ!」。一方獄中の雄大は、力が抜けたように本を落として茫然自失となる。
  111. 車をスクラップに出した百合子と合流する耶雲、百合子に大金と偽造パスポートの入ったカバンを渡す。犯罪に加担した事を罪に感じ、あの時死んでた方がましだったと言う百合子に、「松田百合子はこの世にはもういない、君は別の人間に生まれ変わる。だから生きろ」と言う耶雲。
  112. 「途中からは本気だったんだよ」と言う百合子を残し、車で走り去る耶雲。思い出のCDを聴きながら高速を走り、海へ向かう。
  113. 耶雲は亜希子と別れたのは、亜希子に別れを告げられ去られた時でも、亜希子が死んだ時でもない、去年の冬だ、というモノローグと共に海に辿り着く耶雲。回想。朱里に真実を聞かされた後、雪の海岸で亜希子とキスをした浜辺に座り、亜希子の最後の手紙を焼く耶雲。「僕はあの時、僕である事をやめた。あのバケモノの姉弟を凌駕し、復讐を果たすために」
  114. 「だが」と続く耶雲のモノローグ、「君の彼氏がバケモノであってはならない。そうだろ。だから、去年の冬、きみと別れ、僕はバケモノになる事に決めた」。海を見つめる耶雲。亜希子との海での思い出が蘇る。

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本当は、もうちょっとシンプルに書くのがいいみたいなんだけど、

でも、まずはコツを掴むのを優先してやってみて、

続けられればなぁ……

と思います。

 

では、

去年の冬、きみと別れ

ミニッツライナー、終わり。